インタビュー・レビュー
関口シンゴ x TN-350 & HR-X101

origami PRODUCTIONSに所属し、再始動したOvallの活動だけでなく、様々なアーティストのプロデュースやサポート、トラックメーカーとして活動中のプロデューサー/ギタリストの関口シンゴさんですが、TEACのフォノアンプ内蔵アナログターンテーブルTN-350とハイレゾ対応CDマイクロコンポHR-X101をご使用いただいていおります。今回TN-350とHR-X101の魅力についてインタビューしました。

ティアック: HR-X101をご使用頂いた感想をお聞かせください。

関口:僕らがやっている音楽のジャンルの影響もあるんですけど、欲しい音は「暖かみ」ですね。あんまりハイファイ過ぎちゃうと疲れてきちゃうんですよ。でも暖かみがあっても、こもった感じの音はちょっと。やはり音の分離が良い方がいろんな音が聴き取れるので、その辺のバランスってけっこう難しくて。だから、暖かみとクリアさを両方バランスよく持ってるのが一番理想なんですけど、HR-X101はその理想型というくらい僕は音が好きです。

ティアック:ありがとうございます。スピーカーのサイズはいかがでしたか?

関口:このくらいのサイズってどういう部屋にも置きやすいですよね。低音がしっかり出て、なおかつ音の分離とかクリアさはちゃんとあるので、Bluetoothスピーカーとはモノが違うなと思います。

ティアック:ティアックのオーディオ設計の根底に、原音を忠実に再現しようという哲学があります。音に色を着けずに再生したい、それがピュアなオーディオであり、音楽を作った人の表現したかったものをそのまま再現できるというのが、オーディオが一番目指すべきところではないかという考えで設計しています。ですので、あまりハイファイにしすぎず、しかしブーミーにもしすぎず。関口さんのようなミュージシャンが表現したい音を誠実に表現したいという思いがあります。

関口:それは伝わってきます。例えば高校生の頃に自分でコンポとか買い始めたときって、いわゆるドンシャリの低音とハイがバツッと出るとカッコ良く聞こえてたんですけど、年を重ねていろんな音楽を聴くようになると、だんだんその味付けが邪魔になってくるというか。短時間聴くのはいいけど長時間は聴けないし。そういう意味でのフラットさを、HR-X101のスピーカーはすごく感じますね。それに大きい音量はもちろん、小さい音量でもしっかり低音も出るし、耳も疲れない。その辺のバランスが素晴らしいですね。生楽器の音を聴くと違いが出ますよね。

 

ティアック:デザインやサイズはいかがですか?

関口:超好きです!まず木がいい。ミュージシャンって絶対木が好きで、キーボードなどの楽器でも、サイドが木のヤツとかってありますよね。絶対そういうのを買おうって思っています。見た目から入るんですよ(笑)。だからこのスピーカーはもう最高ですね(笑)。この色もけっこう珍しくないですか?なんかモダンっていうか、シックだけどちょっとカジュアルさがあるギリギリのバランスで、すごく良いなあと思います。プラス、この丸み。丸みはもう1日中眺めていても飽きない。めちゃくちゃきれいです。

ティアック:実際にご自身が作曲・録音された音源もHR-X101で確認されることはありますか?

関口:もちろん、いつも確認しています。作曲・録音した音源がパッケージになったときにどう聞こえるのかなって思って、確認しています。いつも作業で使っているモニタースピーカーで聴く音と、どのように印象が違うか、試したりしています。PCからBluetoothで繋いでちょっと流してみたりとか。作曲・録音作業はモニタースピーカーを聴いて作業するのですが、やはり一番リスナーに聴かれる環境で聴いてみて、「ちょっと低音が足りないな」とか、「ちょっと中域がこもっているな」とか、「曲のダイナミクスとかが何気なく聴いたときにどうかな」など。つまり全体の印象のチェックですね。構えて聴いちゃうとそれが意外と分からないので、ちょっと一息つきながら静かめな音量で、何かしながら聴いて、「どうかな?」っていうのがとても確認しやすいんですね。こういうリスニング環境で聴くことってすごく大事なんですよ。いつも慣れているモニタースピーカーだと逆に分かんなくなっちゃうので、ちょっと違う環境で聴くことは大事です。

ティアック:リファレンスにいるんですね。作曲の確認以外ではどのように使用されていますか?

関口: CD、BluetoothでSpotifyなどの音源やYouTube、レコードを聴いています。ミックス確認は最初はWAVで試していたりしたんですけど、すぐに作業に戻らないといけなかったりと、行ったり来たりの時間がかかるので、Bluetoothで聴いて作業のスピードを重視してます。CDはよく聴いています。捨てられなくて。実家にもまだいっぱいあるんですけど、世代的にCDがやっぱり好きで、CDを入れる手間も好きです。ジャケットに誰がアレンジしたが載っているのも好きで、そういうのを見ながら聴いてると印象に残ります。CDはダウンロード音源よりは情報量が多いので。

ティアック:CDジャケットから、作り手側の想いを知ることができますしね。

関口:そうですね、そこは確かに知ってほしいなと思います。

ティアック:関口さんは音楽の作り手側として、音源を作られています。そうなると、それを再現される側のオーディオにも、自分のこだわりが再現されるクオリティを求められるのでしょうか?もちろん聴く人によってリスニング環境は異なりますが。

関口:こっちのエゴというか、自己満足もあるし、「こういうクオリティで作りたいな」というのはもちろんあるんですけど、人によってどういう環境で聴かれるかはわからないので、パソコンとかラジオとか快適なイヤホンで聴いても良いバランスになるようには作っています。でもそこを目指して作っているわけではなく、同じくらいの環境で聴いてもらったときに、良いなって思ってもらえるものを目指しているので、出来ればそういう環境で聴いてもらえると「こういう音も入っているのか」とか、いつもとは違う印象もたぶん残ると思うから。

 

ティアック:アナログターンテーブルTN-350の気に入ってる点なども教えてください。

関口:まず見た目。見た目って重要ですよね。物として置いておきたいっていう欲求を満たしてくれる感じですね。木の感じがすごい良いのとアルミの美しさ。シンプルだけど物足りなくない。木の部分とかしっかりしているし、こういうアルミの削り出しっていうのは感じが良いですよね。どこから見てもカッコいい。そういう見た目というか、物として持っておきたいっていうのは大きいですね。

ティアック:CDやBluetoothで聴く環境の中、レコードを聴かれるのはどういうときですか?

関口:音楽の仕事を離れて、じっくり音楽を聴きたいなってときです。どうしても僕らの仕事は、音自体を聴きたくないときってすごくあるんですよ。同じミュージシャンでも人によっては、移動中もスマホでずっと音楽を聴いている人もいれば、移動中は聴かない、仕事以外のときは聴かないようにしているとか。僕はどっちかというと無音の方が良いんですけど、仕事を離れて音楽を聴きたいなってときに聴くレコードは最高ですね。昔聴いていたレコードを聴くのがすごくリラックスできます。

ティアック:デジタルは1曲ごとに聴けますが、レコードはアルバムを聴くということに集中できるのが良いですよね。

関口:「この曲だけ聴こう」、みたいなことはやらないですからね。やっぱり腰を据えて聴くと自然とそうなるから良いです。

ティアック:そういった中で、アーティストの想いというか、アルバムを通してのストーリーみたいなのが聴けますし。

関口:ミュージシャンがアルバムを作る際、曲順と曲間ってとても時間をかけるんですよ。でも今ってシャッフルで聴いたりする。それが出来ちゃうからしょうがないんだけど。作り手側は今でもマスタリングの時に、フェードアウトの曲だったら「次の曲が入ってくるまで今のちょっと早い」、みたいなことをみんなでやるんですよ。でもそれぐらい考えているから、間合いまで聴いてもらえたら本当は嬉しいです。

 

ティアック:関口さんはレコード歴は長いんですか?

関口:実家には、ウェス・モンゴメリとか、オスカー・ピーターソンとか、そういうレコードがけっこうあって。ビートルズもかな。父親がすごく好きだったんです。自分で持とうというのは最近までなくて。自分用に1台ちゃんとしたレコードプレーヤーが欲しいなって思っていました。僕が高校生時代はMDが流行っていたのでMDを聴いて、次にiPodが出てきて「わーすごいなー」って聴いていたんですけど、でもなんか飽きてきたなっていうか。前はもっとじっくり音楽を聴いていたんだけど、ピピピってやって曲の途中で止めちゃったりとかが出来ちゃうと、あんまり腰を据えてアルバムを聴く機会もなくなってきていて。ちょうどそのタイミングでレコードリバイバルもあって、1台ちゃんとしたものが欲しいなあっていう流れだったんですよね。

ティアック:スマホから簡単に音楽が聞ける中、関口さんはアナログのレコードプレーヤーを手にし、腰を据えて音楽をじっくり聴ける状況がある中で、何か気持ちの変化などはありましたか?

関口:同じ音楽だけど、例えばMP3で聴くこと自体は手軽に聴ける良さもあるので、悪いとはもちろん思わないです。でもやはりレコードはレコードでしか出せない音があるじゃないですか。それってもう完全に別ものなのかなって思ってて。音楽は「CDで聴くのが一番良い」、「CDで聴くものなんだ」っていう風なイメージが世代的にはあったんですけど、でもそうじゃなくて、色々聴く方法があって、総合して音楽っていうことでいいんじゃないかなと。そこにはライブも含まれると思うんです。生で聴く音楽もあるし、レコードでじっくり聴く音楽もあるし、もっと手軽に、ちょっとジョギングしながらMP3をウォークマンで聴くっていう聴き方もあるし。ダウンロードの良さもあると思うんですよね。すぐに世界中の音楽が聴けるっていうのは素晴らしいことだと思うので。そんないろんなあり方があって良いと思うし、それを実現させるのがこういうオーディオ機器一つ一つだったりするから、ありがたいです。オーディオメーカーさんにはこれからも、そういう選択肢を与え続けてほしいですね。これから更にまた違うものやいろんな技術が出来て新しい聴き方が出てきたときに、それを提案してもらえることは、たぶんリスナーとしても作り手としても、どっちもうれしいじゃないですか。新しい聴き方で聴けるし、作り手としてもそれに合わせて新しい挑戦が出来るし。そうすると音楽を聴くってこと自体が活性化すると思うから、選択肢を提供し続けていただけたらありがたいなと思います。

ティアック:オーディオメーカーの老舗として作り続けないといけないなと思います。

関口:老舗はクオリティが下がらないですよね。このHR-X101とTN-350に関して僕が受けた印象は、まず音がちゃんと良いっていう、老舗だからこその絶対的なクオリティがあった上で、プラスアルファ、見た目も良いとか、使い方や機能が良いとかなのかなということですね。今新しいメーカーでいろいろデザイン性や機能の面で面白いものはいっぱいあると思うんですけど、でもやっぱり音が一番大事だから、安定して提供できるっていうのは、老舗ならではの強みなのかなっていう印象です。

プロフィール

関口シンゴ
ギタリスト、コンポーザー、プロデューサー。 ジャズ、ソウル、ロック、ポップスなどを独自のセンスで解釈した音作りが世界中から賞賛される。 プロデューサー、ギタリストとしてChara、秦基博、矢野顕子、柴咲コウ、藤原さくら、渡辺シュンスケ (Schroeder-Headz)、Azumi、YOSHIKA、カコイミク、BENI、あいみょん、Kie Katagi (jizue)、Wouter Hamel、Shing02、福原美穂、SOUR、ヤセイ・コレクティブ、さかいゆう、Hiro-a-key、Monicaなどをサポート。 また、docomo (カンヌ国際広告祭で3部門入賞)、資生堂、リクルート、東急プラザ、文部科学省、みつばち保険、MITSUBISHI、Van Houten、GIBSON、BESS、ハピネットなどのCMやJ-WAVEのジングル楽曲制作など各方面で活躍。また、CHMUS、PATRICK、ORIGINAL GRAINなどのアパレルブランドの雑誌やパンフレットなどメディアにも登場。

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